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とうがねのむかしばなし

 

 この地に住む人の心に、昔むかしこんな話があったってよ、目をまんまるにして聞いた話。
 どこでも爺様と婆様が語ってくれた昔話、くり返しむしかえして聞く楽しみ、それはどこの山どこの川、ちいちゃな頭で自分の行動範囲で考えて、それなりに納得して、野山を駆け巡り、池や川に泳ぎ、草や木の実を喰らって、悪餓鬼といはれても、自分たちだけの世界を持ち、また与えてくれた親を、誇りに出来るのも民話昔話のおかげであると言っても過言では無いと思っています。
 私が昔話に出会ったのは、まだ小学校にも入らない三歳くらいの時だった。婆様が家之子の蛙の話「あまんじゃくげえる」の話からだった。何回聞いても面白くて、自分でも得意になって、逆に聞かせて笑われて、腹を立てたのを覚えている。

​(挨拶文より抜粋・無断転用厳禁)

 

 東金市近隣の昔話やわらべ唄を採集している、醍醐野童氏がまとめあげた民話集である。この地方の方言で語られた昔話は、年配の方には懐かしく、年少のこどもたちには新鮮に感じられるだろう。読み聞かせ用にもおすすめしたい一冊だ。

 左の動画は、東金市松之郷の八坂神社(天王様)例大祭の「宵宮祭」で奉納された神楽舞(KMBチャンネルより)。祭事の多い東金市だからこそ、バリエーション溢れる昔話が生まれたのかもしれない。

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